漫画:見上げると君は

タイトル:見上げると君は

作者:小堀 真
出版:講談社
ジャンル:学園恋愛
オススメ:ピュアな恋愛を欲している貴方へ!

概要:失恋のショックに打ちひしがれるコンプレックスの塊な少年の前に運命的な出会いが。自分とはまるで反対の彼女に彼は惹かれていく。一方で彼女また煌めくような純粋な少年に惹かれていった。

読了:2巻まで(連載中)

感想:少女漫画のような恋愛を描いた作品。少年が精神的にか弱すぎて、可愛すぎて将来が心配。息子にしたい気分。宣伝文句にもあるようにビックリするぐらいピュア過ぎてオジサンはオロオロしてしまいそうになる作品。

人物像にもう一つリアリティを感じないのが惜しい。この作品が大きく花開くかどうかの境界にあるように感じる。例えば、大ヒットした映画「君の名は。」にしても世界の描写力が極めて優れいた点が大きい。実際の世界はあのような美しさではないのだが、あのファンタージー的世界観があの映画を支えていたに思う。この作品にも同様なことが言えそうだ。描写力で心理を的確に描くか、ストーリーで描くか、その両方かに思うが、現状では双方が弱い気がした。ストーリーで補うのが現状では良いように感じた。

それでも作者のもつ精神的背景の純粋さのようなものが感じられ、作家の良心に好感をもった。読んだ時点で「この作者、嫌いだな」という作品は昨今少なくない。その点、この作者はとても好感を持った。実は前作も少し読んだのがマッチョが気持ち悪過ぎて読み続ける気にならず「コンセプトはいいんだけど惜しい作者だなぁ」と記憶にあった。

更に昨今では少なくなった繊細なタッチは実に良い。最近は落書きのような漫画が跋扈し(最終的に仕上げればいいのだが落書きのまま書籍化されている作品も多い。同人誌ならそれでも構わないのだが )、また、背景ないのは当たり前とか、写真を画像処理しただけで張り込むも等、結構辟易することが増えていただけに嬉しかった。まるでこの少年のか弱さにも通じるソフトタッチ。自ずと少年の動向に肩入れする自分がいる。今後も見守りたい。

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